コラム

コロナ世代の会いたい飲み会|可能人類学

コロナ世代の会いたい飲み会|可能人類学

今回は自分の学生らしい日常的な出来事を記事にしてみます。

息抜き程度に読んでもらえると嬉しいです。僕も何も考えずに自由に書いていきます。

コロナ世代の会いたい飲み会とは

先日大学のゼミで先生からこのような課題が与えられました。「東京コピーライターズクラブ(TCC)がおこなっているようなコピーのリレーをグループごとにおこないなさい」と。

(今ゼミはZOOMでおこなっています)

TCCの公式ホームページには、「コロナから10年後の世界」というタイトルでいくつかの予測される世界が描かれていました。

私のゼミでは、各チームごとにどのような世界観を描き、その世界を文章で表現するかタイトルを話し合いました。

私のチームは「コロナ世代の会いたい飲み会」というタイトルに決定しました。

この背景としては、年齢的に飲酒可能になってもコロナにより外出が出来ず、友人とのリアルな乾杯がいまだに出来ない(友人と会って飲み会をしたい)という悩みを抱える人が現れるのではないかというのが1つ。

もう1つは、社会人のオンライン飲み会についてです。終電という概念がなくなったことで飲み会を切り上げるタイミングが分からず、飲み会から抜けることが出来ない、上司から逃げることが出来ないという悩みです。この悩みを解決するには、実際に上司と会って飲むということがあります。つまり、会いたくはないが、会って飲んだ方がマシという考え方です。

この2つに共通するのは「会いたい」という言葉ですが、実際はプラスの意味とマイナスの意味を持ち相反する感情となっています。私たち(特に私)はこの2つの感情を表現したく、この先ほどの「コロナ世代の会いたい飲み会」というタイトルにしました。

これから本文に入りますが、ここで言うコロナ世代というのは、コロナが流行り始めた2020年前後からコロナが収束する時代までに生まれ生き、死んでいく人々の事を大きくひとまとまりにして呼んでいます。

では、大学生のつたない文章ですが、どうぞ。

コロナ世代の会いたい飲み会 本文

新型コロナウイルスが流行してから2年、世界は大きく変化した。日本で発出された緊急事態宣言は2か月後に一度解除されたが、変異を繰り返すコロナウイルスの感染拡大はとどまることを知らず、再度出された緊急事態宣言はまだ解除の見通しが立っていない。一度感染し、免疫を獲得した者であっても、変異したコロナウイルスには感染を繰り返すことがある。

日本では、コロナウイルスが地域ごとに変異し、各地域でそれぞれの型が流行した。それに従って地域ごとに集団的に免疫を獲得していった。そこで政府は、免疫の型が異なる各地域間の移動による感染拡大を防ぐために、新たに全国の区分けを行い、区間移動を制限した。区間移動の際は申請書類が必須となっており、政府が定める基準以下の移動は禁止された。もちろんこのルールを破れば罰せられる。都道府県や市町村をまたぐように区切られた8区はかつての人間関係に物理的距離を作った。

区域の目安として、各免疫の集団ごとに分けられることとなった。免疫軍は8種類でCOVID第壱(いち)免疫軍からCOVID第漆(なな)免疫軍まで存在し、政府は自らをCOVID第零(れい)免疫軍と定めた。大零免疫軍から順に正見区(しょうけんく)・正思区(しょうしく)・正語区(しょうごく)・正行区(しょうごうく)・正命区(しょうみょうく)・正精進区(しょうしょうじんく)・正念区(しょうねんく)・正定区(しょうじょうく)と8区に分けられた。政府関係者は霞が関付近の仮設住宅(正見区)に移住を強制された。

この区分けが功を奏し、爆発的な感染の拡大は抑えることができ、今では1日の国内感染者数は区ごとに平均で20人を下回っている。国内では2020年以前の日常に戻りつつあるが、若者の間では、この区分けによる新たな悩みが生まれていた。それは「飲み会」である。政府からの休業要請で居酒屋は軒並み休業。家賃が賄えないと押し切って営業再開するも客が来ないので売上が上がらず閉店。かつて居酒屋で鳴り響いたジョッキの音は聞こえなくなり、友人との乾杯もオンラインがニューノーマルとなった。コロナウイルスが流行した2020年から現在まで生きてきた世代はコロナ世代と呼ばれ、2020年以降に成人したコロナ世代は友人とリアルで乾杯できない者が増え、一部では友人とのリアルな乾杯が憧れになっていた。2021年に20歳になった私の妹も「道路を挟んで家が向かい合わせの親友と乾杯がしたい」と区分けによる影響に悩んでいた。飲み会なのに会えない。そんな悩みが萬栄していた。

「会いたい飲み会」は成人したばかりの世代だけでなく20代の社会人世代でも悩みとなった。各企業はリモートワークを取り入れ、実際にオフィスで仕事をしている会社は少数となった。なぜなら区分けにより出社できないという原因もあるからだ。それ以降はもちろん飲み会もオンラインとなった。当初は「上司に合わなくていい」「セクハラされない」とオンライン飲み会は良い傾向にあった。しかし、家にいることで家に帰らなくていいため、飲み会から抜ける言い訳が通用しなくなったのだ。これにより、会わないで飲むよりも会って飲んだ方が早く帰る(切り上げる)ことができるという事実が発覚し、多くの人々は「会社の飲み会は現実でやりたい」と口をそろえて言うようになった。同じ「会いたい飲み会」だが、立場によって理由や抱える思いは様々だ。本当の意味でマスクを外し、本音を直接語り合える時代は来るのだろうか。